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卒業式②

2022年3月18日 09時30分

昨日、紹介できなかった「送ることば」「旅立ちのことば」を紹介します。 

【送ることば】

 

柔らかな春の日差し、吹き渡る温かな春風、今にも花を咲かせようとしている木々のつぼみ、そのすべてが皆様の門出を祝福しているように感じられます。この佳き日に、拓南中学校を卒業される七十五期生の皆様、本日はご卒業おめでとうございます。
三年前、真新しい制服に身を包み、先輩方は、この拓南中学校に入学されました。その日から、瞬く間に月日は流れ、今日はいよいよ旅立ちの日です。皆様の胸には今、この拓南中学校で過ごした三年間の思い出が、かけめぐっていることと思います。コロナ禍以前の拓南中学校を知っている皆様は、もしかしたら私達以上に、変更や削減される日常に、もどかしい思いを抱いていたのかもしれません。しかし、どのような状況にあろうとも、知恵を絞り、仲間を信じ、前向きに歩む皆様の姿がありました。そして、活気と熱意あふれる拓南中学校の日々を作りあげられました。そのお姿を希望の光として、私達七十六、七十七期生は歩んできました。だからこそ、皆様の勇姿が、より私達の心に刻まれているのです。
仲間と心を一つにして、真剣に競技に挑まれた体育大会。照りつける太陽よりも、熱く懸命に競技される姿を、憧れのまなざしで見つめていました。特に、むかで競走で見せてくださった仲間を信頼し、本気で挑む姿に、胸が熱くなりました。そして、皆様の後輩であることを誇りに思うとともに、この拓中魂を受け継いでいきたいと固く決意しました。
文化祭では、活動の集大成を様々なアイデアを盛り込みながら披露され、見る人の心を揺さぶりました。特に、合唱コンクールの各学級の迫力の歌声。三年間磨き上げられた美しく豊かな歌声は、今もなお、心に響き続けています。
部活動でも、先輩方は輝かしい成績を収められました。日々、切磋琢磨し、ひたむきに努力されていた姿を私たちは忘れません。常に包みむような優しさで、私たち後輩を導いてくださいました。
生徒会活動においても、学校のために何ができるかを考え、「誇れる拓南」を合言葉に、積極的に行動される姿は頼もしく、同じ生徒会役員として、側で活動させていただいたことは、私の大きな自信へとつながっています。 卒業される三年生の皆様にとって、今日は、一つの道のゴールとなりますが、同時に、新たな道へのスタートでもあります。どうか、いつまでも私たちの先輩として、輝き続けてください。もし、この先の道で困難が立ちはだかったとしても、拓南中学校で培った力で、乗り越えてくださることと信じています。
今日まで私たちは、先輩方の後ろをついていけば、それだけで安心でした。しかし、明日からは、皆様のいない拓南中学校での日々が始まります。コロナ禍以前の拓南中学校の姿を知っている七十五期生の皆様がいなくなることへの不安は、果てしなく大きいものがあります。
しかし、どんな状況でも、臨機応変に対応し、ピンチをチャンスに換えていく皆様のたくましく、しなやかに生きる姿を私達は見て、心に刻んできました。
皆様の築いたこの拓南中学校の伝統と拓中魂を、私たち在校生は、しっかりと受け継いでいきます。今まで、たくさんの思い出をくださった皆様、本当にありがとうございました。皆様が、いつまでも、母校・拓南を誇りに思ってくださるよう、ひたむきにがんばります。
最後になりましたが、皆様のより一層のご活躍とご健康をお祈りして、送る言葉といたします。

【旅立ちのことば】

気が付けば日の光が柔らかくなり、鳥のさえずりさえ聞こえてくる季節になりました。今日、私たち七十五期生は、拓南中学校を卒業します。
思えばこの三年間は、とにかく例外づくめのジェットコースターのような日々でした。期待と不安でいっぱいになりつつ校門をくぐった入学式のあの日から今日まで、私たちも世の中も激動に揺れ、試練にさらされてきたように思います。
先輩方の見よう見まねでようやく一年生をやりこなせたという頃、世界を新型コロナ感染症が襲いました。今までに経験したこともない長期の臨時休校。二年生になってやっと登校できるようになっても、楽しみにしていた行事が次々に中止や縮小、内容変更を余儀なくされました。二年生では、校外での職場体験学習ができなくなりました。みんな内心、どれだけがっかりしたことでしょう。しかし誰もがそんな顔を見せず、今できることを見つけて「やれることがあってよかった」と言い合い、励ましあいました。また、どうやったら制限された日々の中でもクラスで盛り上がっていけるかとアイデアを出し、試行錯誤し、挑戦し続けました。やっていたときは辛く苦しいと感じることも多かったのですが、今、思い返してみると、何事もなく今までどおり先輩たちと同じやり方で行事に取り組むよりも、もしかしたら私たちは、もっと貴重で素晴らしい体験ができたのではないでしょうか。
どんなことにもよい面があると考え、前向きに生きていこうとすることの大切さも、この二年半の体験で学べた気がします。たとえば、小さなことですが、毎朝登校する前の検温のおかげで私たちは、他の人の健康にも気を配り、なにより、体調管理は自分でするものだという意識を持つようになったではありませんか。
そんな中で、なんとか十一月になってやっと行けた修学旅行は特に思い出深いものになったと思います。本来は四月の予定が行けなくなり、しかし中止でなく、延期はするけれども内容は変えないで実施すると校長先生が約束してくださったことが、僕たちの心の支えとなりました。だから、九月からまた延期になったときも、私たちは希望を捨てませんでした。そうやって強く気持ちを持ち続けたためか、目にするものすべてが美しく、素晴らしく見えたことを、昨日のように思い出します。
体育大会も文化祭も、半日開催になったことなど気にならないくらい盛り上げることができました。もちろん、あれこれとうまくいかないことが練習の中から出てきました。特に三年生では最後によい結果を出したいと誰もが思っていましたから、互いの意見がぶつかり合って、自分の思いがわかってもらえないことに傷つき、泣き出してしまう人もいました。クラス内で割り振りをすれば、苦手な競技に出なければならない人もでてきます。そこで失敗し、ひるんでしまうこともあります。そんなときも、友達が声をかけてくれたり、頑張る姿を率先してみせてくれたりしたからこそ、私たちは成功を信じて練習し続けることができました。
合唱コンクールも、一年生のときは先生に教えていただくことばかりでしたが、二年、三年と年を重ねるうちに、自分たちで計画を立てたり、練習方法を工夫したりできるようになりました。当然、なかなか上手にならないといらだったり、今のやり方ではだめじゃないかと言い出す人が出てきたり、そのたびに話し合いをして、よりよいものにしようと力を合わせました。今、三年生の誰もが、自分たちのクラスの歌声を思い返し、悔いのない取組ができたと胸を張って言うことでしょう。
部活動でも私たちは、互いに支え合うことで困難を乗り越えてきました。私は人数が少ないうえ、活動が制限された状況でも一致団結して頑張っている吹奏楽部に心を魅かれ、大会に参加しました。多少音楽に触れた経験があり、リズムもとれるということで、ピアノや打楽器を担当することになりました。他の楽器と合奏するのは難しく、戸惑うことばかりでしたが、仲間や先輩に教えてもらいながら努力を続けました。金賞を獲ったときの部員たちの感極まった姿、そしてただ一言「よかった」とつぶやいたあの瞬間は今も忘れられません。 もちろん、先生方の支えがなければ、私たちだけではどうすることもできなかったでしょう。授業で、また部活動などで、先生方はいつも私たちを見守り、成長させてくださいました。どんなときもそばに先生方がいてくださるからこそ、失敗を恐れずに、勇気をもって様々なことに挑戦できました。それなのに、山のように迷惑をかけてしまったこと、申し訳なく恥ずかしく、そして支えてくださった先生方に対して、本当にありがたいと思っています。
そんな私たちを信じて応援し続けてくれた家族の存在にも感謝しています。素直になれなくて「ありがとう」の一言がなかなか言えなかった私たちですが、何度も許し、包み込んでくれたこと、本当は嬉しく思っていました。今日こそ、卒業証書を見せながら、お父さん、お母さんに「ありがとう」と伝えたいです。 
在校生の皆さん、私たちは皆さんと一緒に学校生活を送ることができて、幸せでした。皆さんからたくさんのことを学ばせてもらいました。これからの拓南中学校をどうかよろしくお願いします。皆さんならきっと大丈夫です。
この三年間はとても、とても、とても楽しかったです。
私はこの学校が大好きです。ここで学べた三年間は、かけがえのない人生の宝物となるでしょう。辛いとき、苦しいとき、ここで過ごした日々を、共に暮らした友人たちを思い出し、人生の道を前へ前へと進み続けていくことを、私はここに誓います。
最後になりましたが、拓南中学校のますますのご発展と皆さまのお幸せを心からお祈りし、旅立ちのことばとさせていただきます。

 

(PTA役員の方には大変お世話になりました。ありがとうございました。)

受付も朝早くからしていただきました。

卒業生や教職員の胸に付けていたコサージュもPTA役員の方に作っていただきました。

 

本当にありがたいことです。みんなに支えられて立派な卒業式ができました。

ありがとうございました。